ペルソナという言葉を聞いたことはあっても、実際にどのようなものなのか、なぜ必要なのかがわからない方は多いものです。存在しない人物を想像してつくり上げるには、ある種の感覚が必要になる場合もあるからです。ここでは、SEO対策のためのWebコンテンツを制作する際にペルソナをどのように設定すればよいのかを、初心者の方にも理解できるようわかりやすく解説します。
ペルソナ(persona)とは?
読み手をあらかじめ設定することでマーケティングの効果を生み出す、非常に重要な要素がペルソナです。ペルソナのないコンテンツは地図を持たない宝探しのようなもので、ペルソナはコンテンツそのものの目的を果たすための指標になるといえます。
簡単にいえば読み手を設定すること、もう少し具体的に説明すると、自分が書いたコンテンツをどんな人に読んでほしいのか、あるいはどんな人が読むのかをあらかじめ想像して設定するのがペルソナ設定です。
設定の手順は、大きく3つあります。
1. Webコンテンツの目的を明確にする
一般的に「コンテンツの目的を明確にする」という表現だけで説明すると、多くの人が目的について難しく考えすぎてしまい、コンテンツの方向性を見失いがちです。
その結果、コンテンツを書く際に文章の流れがあちこちに分散し、最終的に見直しに多くの時間がかかってしまうケースが少なくありません。そうした問題を事前に防ぐ方法として、コンテンツの目的を設定する際に自分自身に投げかけてほしい質問を用意しました。
「あなたが記事を書く理由は何ですか?」
「書いたコンテンツを人に読んでほしい理由を教えてください。」
答えとしては、次のような内容が挙げられるでしょう。
- 「商品を売るため」※コンバージョン系
- 「ある情報を伝えたい」※インフォメーション系
- 「私たちのことをみんなに知ってほしい」※ナビゲーション系
購入を目的とするならコンバージョン系、特定の情報を伝えることが目的ならインフォメーション系、全体的なニーズの解決を目指すならナビゲーション系のコンテンツを作成すべきです。
このように、自分が書きたいコンテンツがどの系統の目的なのかを確認できたら、次は具体的な設定に進みます。
2. ターゲットを絞り込んでから人物を設定する
まず「絞り込む」という意味について簡単に説明すると、コンテンツマーケティングのためにターゲットの年齢、地域、趣味など、特定の人物の条件を想定して区分することを指します。
絞り込みはすべてのコンテンツに当てはまる部分ですが、どこまで絞り込むかはコンテンツの目的によって変わります。
例えば、コンテンツ制作の目的が「男性用シェーバーの販売を目的とした商品紹介」だった場合、ターゲットを「男性」だけに絞るのか、「会社員」の中の「20代〜40代」の「男性」のように細かく絞るのかによって、アプローチの方法(戦略)や納得してもらいやすい言葉の選び方などが大きく変わります。
ターゲットを「男性」だけに絞った場合は、「時間があるときにTwitterをよく見る男性」のように漠然とした設定になります。
しかし「会社員」「20代〜40代」「男性」のように細かく絞った場合は、「平日の通勤・帰宅時間に電車の中でTwitterをよく見る男性」のように、読み手が記事を読む時間帯まで想定して具体的に絞り込むことができます。
絞り込みができたら、次は読み手がどんな人なのかを決める人物設定の段階です。
人はさまざまな性格を持っており、性格ごとに表れる特徴もそれぞれ異なりますが、いくつか例を挙げて説明します。
「おっとりして落ち着いた性格の人」は、コンテンツを読むときも周りを落ち着いた環境にしてから読むことが多く、多少説明が長くてもしっかり読んでくれるため、簡単な説明よりも具体的な分析情報を伝えたほうが信頼される可能性が高くなります。
反対に「せっかちであまり時間がない人」の場合は、自分が知りたい情報をひと目で見たいという欲求が強いため、具体的な説明よりもわかりやすくポイントだけを伝える内容が合っています。また、こうした人は何かを購入するまでの判断時間も短いのが特徴です。
このほかにもさまざまな性格を持つペルソナを設定できるので、しっかりとターゲットの絞り込みと人物設定をしたうえでコンテンツをつくることをおすすめします。
3. ペルソナ(読み手)に合わせて異なるアピール方法を考える
Woman typing on human figures
ペルソナは絞り込めば絞り込むほどその結果が変わり、結果ごとにアプローチも変わります。
単に性別だけで設定したペルソナでは、誰にでも共通して当てはまる内容をもとにコンテンツを書く必要がありますが、年齢や住んでいる地域まで設定されたペルソナのコンテンツでは、より具体的で、その人物に当てはまる明確な情報を戦略的に書く必要があります。
また、ペルソナ設定の中に「業界のプロ」という区分が設定されている場合は、「〇〇とは?」のような相手がすでに知っている基礎知識の内容を避けることで途中離脱を防げます。反対に「未経験」と区分している場合は、「基礎から始める〇〇」などの内容を入れて、一から教える説明が必要になることがあります。
ここまでペルソナ設定についていろいろと説明してきました。実際にペルソナを設定し、SEOを意識してコンテンツを制作した結果のデータを見てみましょう。
SEO対策とペルソナを理解すると生まれる結果
ペルソナ設定がコンテンツをつくるための道案内だとすれば、公開されたコンテンツの場所をユーザーが見つけられるようにしてくれる矢印がSEO対策です。
SEO対策を行う目的は、コンテンツを検索エンジンに最適化し、Googleの検索結果で上位に表示されるようにするためです。もちろん、キーワードを入れるだけで簡単に上位表示されるわけではありません。
コンテンツ制作にSEOを取り入れるにはさまざまな知識を学ぶ必要がありますが、実際にペルソナを設定してSEO対策を施したコンテンツを公開したところ、次のような結果になりましたので参考にしてください。
ソースデータに表れた大きな特徴として、オーガニック(広告ではない自然検索)からのユーザー数が70%を超えていることが確認できます。
さらに、最も多く読まれている記事の滞在時間は平均6分を超える結果となりました。
実際にコンテンツを書いた立場としてこの結果を見て感じたのは、コンテンツ制作では戦略も大切ですが、書き手の心構えも一文字一文字の表現に表れるということです。
Webコンテンツマーケティングに携わるすべての方へ
文字で人の心を動かしたり、狙った行動を起こしてもらったりできる魅力的な仕事がコンテンツマーケティングです。そしてコンテンツをつくるすべての人にとって最も大切なのは、「利他的で謙虚な姿勢を持ってつくること」だとお伝えしたいと思います。
世の中には数えきれないほどのコンテンツが、検索エンジンだけでなくオフラインの世界にも存在しています。その中には人の役に立つ情報を書き続ける人もいれば、単に報酬を得て文字数を埋めるためだけに書く人もいます。
皆さんが書くコンテンツを読んだ人は、レビュー、SNSへの投稿、商品の購入、予約など、さまざまな行動を起こすことがあります。それだけコンテンツには力があるので、良質なコンテンツをつくれるよう努力してください。

